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What you buy is what you vote



身近に出会えるフェアトレード・エシカルのお店


京都に本店をもつシサム工房は、フェアトレードとエシカルファッションのお店です。フェアトレードや手仕事、環境配慮にこだわった商品の企画と輸入販売を行っています。ナチュラルスタイルのお洋服やアクセサリーを中心に、フェアトレードコーヒー、オーガニックコットン、雑貨、インテリア商品など、エシカルな暮らしをおしゃれに演出する商品を販売しています。

シサム工房は1999年に京都で小さなフェアトレードショップとして始まりました。商品の背景にあるストーリーを楽しんでお買い物していただき、一人でも多くの方にフェアトレードに出会っていただきたい。そしてフェアトレードを生活に取り入れていただきたい。それがシサム工房の願いです。身近にフェアトレードと出会える場として、京都の本店を中心に全国8店舗のお店を展開しています。



手作りから新しい価値へ


シサム工房では、アジア6か国の小さな生産者とものづくりをしています。生産現場では、ほとんどがごく小さな工房で製品作りが行われています。大きな工場で量産するのではなく、小さな生産者と一緒に輸出レベルの品質のものづくりをすることで、生産者が力強く生きていく力を付けていっています。そして、生産者とはあくまでも対等であることを大切にしています。緊張感のあるビジネス関係を保ち、互いの状況を思いやりながら大切にし合う関係の中で、長く事業を継続させています。確かな品質を保ちながら、手作りの個性を伝える努力も惜しみません。すべて手作業で行われることで偶然できる個性、特有の文化や天然素材を活かし、それぞれの個性をまた新たな価値として感じてもらうことを願っています。不揃いさや多様性を受容するおおらかな価値感を商品の販売を通して伝えています。



お買いもので世界を変える


シサム工房のスローガン「What you buy is what you vote お買いものとはどんな社会に一票を投じるかということ」は、1999年の設立当時の思いから始まっています。設立者で代表取締役である水野泰平さんは、南アフリカで行われていたアパルトヘイト(人種隔離政策)のドキュメンタリー映画を観た衝撃がきっかけで今の活動が始まりました。市民活動、バックパッカーやアンティークショップのバイヤーなど、社会人経験を経て、10年20年先に開発途上国の人々と共になにができるのか、アジアやアフリカの人とつながって生きていきたいと強い想いを持ちました。開発途上国の人々とよりいい形でのつながりを確かめ生きていくことを考え、フェアトレードショップ「シサム工房」が誕生しました。



女性たちの課題から、未来のあるフェアトレードへ


取締役の人見とも子さんは、水野さんと共にシサム工房を立ち上げたお一人です。大学院生時代に、タイの山岳民族の女性たちの課題について研究をしていました。研究を通して、貧困、買春、人身売買、子どもの権利侵害、民族差別など、自身も深く傷つくほど大きな課題を目の当たりにしました。「人が人を大事にしないサイクル」をどう変えていくことができるのか。行き詰っていた時に、フェアトレードと出会います。小さなポーチづくりを通し、少数民族のお母さんグループが、将来を活き活きと語る姿がありました。その姿に衝撃を受け、「未来を拓くフェアトレードなら、自分にも続けられる」と希望を感じ、フェアトレードに没頭していきます。修士論文のテーマもフェアトレードに変え、たくさんの国際協力NGOに通いつめ、フリーマーケットで実際販売を行っていました。今では事業としてフェアトレード団体と共にシサム工房ならではの可愛さをもつファッションアイテムを作り出しています。



母から娘へ受け継がれる インドの伝統刺繍


シサム工房が作る洋服やアクセサリーは、インド・ネパール・インドネシア・タイなどの生産者と共に生み出されています。インドの首都ニューデリーから南東約500kmにあるラクノーには伝統刺繍「チカン刺繍」があります。約400年前から母から娘へ受け継がれている刺繍で、約30種類を超えるステッチがあり、極薄の生地の表から透けて見える裏糸の影を楽しむ特殊な「シャドーステッチ」など、とても技術の高い刺繍です。生産者はスラム地区や村の女性たち。貴重な現金収入を得られる手仕事として発注しつつ、インド政府から様々な助成を受けられる「職人カード」を取得するまで、現地NGOと協力してサポートしています。女性は男性に頼って生きるのが当たり前だと思われているインド社会のなかで、女性の社会進出にも役立っています。





フィリピンの森で作る、オリジナルコーヒー


シサム工房では、オリジナルのフェアトレード・コーヒー「SISAM COFFEE」も販売しています。フィリピンのルソン島北部、標高2000m級の山岳地帯コーディリエラ地方では、自然豊かな土地で多様な山岳民族が自給自足の暮らしをしていました。ですが、時代が進むにつれ現金がなければ生活ができなくなってきたことから、森を焼き換金作物を作ることになりました。そのため、森が壊れ水源も涸れ、自分たちが食べる野菜も作れなくなってしまい、これ以上森を壊さず現金収入をどう作るかが課題になりました。元来からコーヒー栽培に適した土地であったこともあり、村の人と対話を続け、森を守る農法でコーヒー栽培が始まりました。国内外から農業の専門家を招き、無農薬での栽培と品質の向上に取り組んできました。その取り組みが評価され、2016年にソーシャルプロダクツ・アワード(持続可能な社会に貢献する商品に贈られる賞)優秀賞を受賞。森と共につくられているSISAM COFFEEは、人々の暮らしと自然環境を守りながらつくられています。


全国に広がるシサム工房の想い


水野さん、人見さんの想いから始まったシサム工房は、京都本店から始まり、今では関西を中心に直営店は8店舗にまで展開し、卸先は全国に約300店舗・台湾1店舗に広がり、日本中のフェアトレードショップにシサム工房の商品が並んでいます。日本を代表する人気のフェアトレードファッションブランドに成長し、全国にファンを増やしています。常にスタッフと共に、「好奇心=アクション」にチャレンジし続け、様々な発信や企画・サービスを行い、多くのメディアにも取り上げられています。デザイン・着心地を大切にしたシサム工房の商品は、「買いたくなるもの」を作ることにこだわってきたことで、フェアトレードという枠を超えたファッションブランドになっています。これからの新しいアイデア、発展にワクワクするシサム工房です。

お話をお聞かせくださいました

  人見とも子さん(有限会社 シサム工房 取締役)

ありがとうございました。これからも応援させていただきます。


 

<店舗>

シサムコウボウ 京都・本店

〒606-8224 京都市左京区北白川追分町80-1

Tel 075-724-5688

その他、各店舗情報 https://sisam.jp/shop

<製造・販売元>

シサム工房

オンラインショップ https://sisam.shop-pro.jp

 

取材記事:加古麻理江(FTNN)

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