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FARMERS PASSION ファーマーズパッション

「コーヒーの森を まるごと味わう」 ネパールからのおいしいコーヒー


アグロフォレストリー(森林農法)で豊かな味わいのコーヒーをつくる


ネパールの森で栽培されるFARMERS PASSIONのコーヒー豆は、その土地が持つ個性を活かし、自然の力と人間の力がほどよく調和する方法で育ちます。森には、コーヒー豆の原料であるコーヒーの木だけでなく、ジンジャー・シナモン・バナナ・レモングラスなど多様な植物が茂り、お互いに寄り添い実をつけます。その栽培をアグロフォレストリー(森を守る農法)と言います。複数の作物を組み合わせ、自然と人間が協力しあう里山のような農法です。コーヒーの木の樹間に様々な作物を育てることで、農薬や化学肥料を使わず、強い日差しや虫から守られるコーヒーの森を作り出しています。



おいしくないコーヒーとの出会いに、ビジネスチャンスを見出した


2007年に代表の池島英総さんは、会社を退職し、ネパールへ向かいました。学生時代に世界をバックパックで旅をしていましたが、ネパールはまだ行ったことがない未知の国でした。この機会に訪れてみよう、何か新しい発見があるかもしれないと旅を決意しました。エレベストなどの自然豊かな土地を旅して、ネパールの人の温かさにふれ、この国が好きになりました。そして、偶然入ったカフェで飲んだ1杯のコーヒーが「美味しくなかった」という経験から、コーヒーを育てることができるこの土地・気候・自然があるのに惜しいという気持ちになり、池島さんは、「ネパールで美味しいコーヒーをつくろう、ネパールのコーヒーを産業にしよう!」と強い思いで、事業を開始します。



まずは、持続可能な森づくりから


まずは、コーヒー農園作りから開始。今まで農業に関わったことはないけれど「ものづくりが好き」という思いで、現地の農家さんから学びました。農地開拓から始めたコーヒー栽培で、こだわったのは無農薬であること。ネパールらしいコーヒーをつくりたいという思いから、化学肥料や農薬を使うことをせず、森と共につくるコーヒー栽培に辿り着きました。ネパールの森には原生の植物が多様に育ち、生き物が生息し関係し合うことで互いに助け合っています。ネパールの自然を大切にした持続可能な農法で育てていきたいと思いました。当初のネパールでは、コーヒーの生産量は少なく、海外からの支援でコーヒーの木が植えられているのですが、生産品と呼べるものはほとんどありませんでした。コーヒー栽培を諦める生産者も多く、市場もかなり悪い状態でした。そんな中、コーヒー農家さんたちに真摯に思いを伝え、一緒にコーヒー農園作りを始め、2008年には自社農園を持つことになります。



ネパールの生産者仲間たちと共に


現在、FARMERS PASSIONの自社農園で働く人は180人になります。関わりがある農家さんは約3,000人。今では多くの農家さんとコーヒー栽培を行っていますが、開始当初は、話も聞いてもらえない状況でした。外国人である池島さんが思いを伝えるだけでは理解を得ることは難しく、共に働き、共に暮らし、自らの思いを伝えていくことで「一緒に頑張りたい」という仲間が増えていきました。その農家さんからの思いも受け、力を合わせておいしいコーヒー豆の栽培・生産・輸出までを成功。今ではネパール各地で技術指導を行い、ネパール国内外からも注目をされるほどになりました。

農家さんの生活が向上していくこと、仲間がさらに輝いていくことも大きな原動力になっています。池島さんはコーヒー栽培のノウハウを惜しまず地域の農家さんに教え、失敗や成功をお互いに共有してきました。自分がたくさん失敗したことで、ネパールの自然に合った農法を学ぶことができました。そして、農家さんの仕事が面白くなるように、コーヒーの森づくりを教え、各農家さんの森で採れたコーヒー豆を買い取っています。農家さんが増え、ネパールのコーヒー生産は確実に向上し、今では注目の輸出品としてコーヒーが挙げられるまでに成長しています。



コーヒーはすべて一貫生産


全てを自社生産するFARMERS PASSIONは、農家さんを大事にすること以外に3つのプロセスにもこだわっています。オーガニック栽培・独自に研究開発した精製・精製方法に合わせた独自の焙煎。どのプロセスにも高い品質を保ち、最高のコーヒーをつくることを目指しています。また、精製と焙煎の組み合わせを変えることで、香りと味の違うオリジナリティ溢れるコーヒーを作り出しています。



コーヒーの森からの恵み、フルーツやスバイスなど


コーヒーの森では、シナモン・バナナ・ジュナール(ネパールの原産スイートオレンジ)など、ネパールの環境に適した多種多様な作物も育ちます。そんな森で実ったスパイスやフルーツをふんだんに使った食品も開発されています。種類は、ハーブティ・スバイス・ジャム・はちみつなど。どれもネパールの森の香りと美味しさを楽しめる商品です。他にも、コーヒーを作る際に廃棄される果肉の部分を使った食品など、ネパールの森の恵みをまるごと使って開発されています。



愛知県豊川市でネパール・コーヒーのカフェ「mol cafe」を繁盛店に


池島さんは出身地の豊川市で、ネパール・コーヒーが美味しくいただけるFARMERS PASSIONのカフェ「mol cafe(モル カフェ)」を経営されています。ネパールの森のコーヒー豆から異なる精製・焙煎で作られる3種類のオリジナルコーヒーが、カフェでいただけ、豆の量り売りもしています。さらに人気なのは、森でできるスパイスやハーブ、フルーツを活かしたメニューです。カレーやパンケーキ、スイーツ、ドリンクまで、mol cafeのほとんどの食材がネパールのコーヒーの森で実ったもの。まさに「ネパールの森をまるごと味わう」魅力的なカフェとなり、地元にネパールのおいしさや魅力を届けています。コーヒー豆、ジャム、蜂蜜、スパイスなどのお買い物も楽しめ、いつもお客様で賑わう繁盛店となっています。



コーヒーをネパールの「産業」に! try&error の連続


「わくわくすること、ゼロから興すものづくりが好き」という思いで、try&error(トライ&エラー)を繰り返し突き進んできた池島さん。

「今までは、自ら行ってきたことがフェアトレードとは気が付きませんでした。ですが、フェアトレードタウンの名古屋に来たことで、同じ思いでものづくりをするフェアトレードの仲間に出会い、自分の作ってきたコーヒーもフェアトレードの理念であると認識しました。今後は、フェアトレードでつながる仲間からも刺激をもらい、地元の方々にもおいしいコーヒーが届けられるよう、ネパールの農家の仲間と共に最高に美味しいコーヒーを作り続けていきます。」

FARMERS PASSION は、コーヒーがネパールの「産業」となり、農家さんが誇れるように、未来にやさしく、みんなが楽しく元気になれる展開を目指しています。


お話をお聞かせくださいました

 池島英総さん(株式会社SHANTI SHANTI COFFEE FARM/FARMERS PASSION代表) 

ありがとうございました。これからも応援させていただきます。


 

<製造・販売元・小売・カフェ>

株式会社SHANTI SHANTI COFFEE FARM

FARMERS PASSION(ファーマーズパッション)

mol cafe(モル カフェ)

〒442-0025 愛知県豊川市 東豊町5丁目22

Tel 0533-65-8653

 

取材記事:加古麻理江(FTNN)

動画制作:松井陽介(FTNN)

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